社員インタビュー

シーナ・アイエンガーのTED〜選択をしやすくするためには〜が面白い

人間の意思決定研究におけるテーマの一つとして「選択肢の多さが意思決定に与える影響」というものがあります。このテーマの研究者でもある、コロンビア大学教授のシーナ・アイエンガー氏のTEDが面白かったのでご紹介したいと思います。

過剰な選択肢は選択をしにくくする?!

彼女によると、

『人々は日々多くの選択をしており、過剰な選択肢(の多さ)は選択をしにくくする。選択をしやすくするためには過剰な選択肢に対して4つの工夫が必要だ。』

とのことで、その工夫はどれも簡単で効果的だと感じるものでした。

まず、過剰な選択肢に関して彼女が行った実験で、「スーパーにおけるジャムの試食販売」というがあります。スーパーで、6種類のジャムと24種類のジャムの試食を用意し、人々がどれだけ試食するか、また、その結果どれだけの人々がジャムを購入するか、を検証する実験です。

結果は、24種類のジャムの方が多くの人に試食されましたが、実際に購入した人は6種類のジャムの方が多く、それは24種類と比較して約6倍も多かったのです。この結果は、選択肢は多ければ良いというものではないことを証明しています。

過剰な選択肢に対する解決策とは

次に、過剰な選択肢に対して私たちができる解決策について、彼女は、以下4つの工夫を挙げています。

【4つの工夫】

  1. 1.無意味な選択肢を取り除くこと
  2. 2.具体化することで選択肢に現実感を持たせること
  3. 3.選択肢を減らしてカテゴリ化すること
  4. 4.選択の難易度に慣れさせること


1.は、ジャムの試食販売の実験結果からも分かるとおり、選択肢は多ければ良いというものではありません。P&Gのヘアケア商品でも、商品の種類を26種類から15種類に減らしたら、売上が10%も増加したという結果もあるそうです。時には大胆に選択肢をカットすることも重要です。

2.は、ある企業の社員を対象にファンド加入の手続きの説明の中に、「貯蓄をするとどのような良いことがあるのか?」という質問を加えるだけでファンドへの加入が20%も増加したという結果が出たそうです。選択肢に現実感を持たせることで難しい選択も可能になるということが分かります。

3.は、選択肢そのままよりも選択肢を分類(=カテゴリ化)した方が人は対応しやすくなるという見解です。
例えば、600種類の雑誌を10のカテゴリで見せるのと、400種類の雑誌を20のカテゴリで見せるのでは、400種類の方が、買い物がしやすいという結果になりました。これは、単なる選択肢の数ではなく、カテゴリ化のおかげで人々が選択肢を区別しやすいためなのだそうです。

4.は、車の購入などで、車体の色やシフトレバーの種類など様々なカスタマイズが可能な場合があります。例えば、車体の色には56種類、シートには13種類、レバーには4種類の選択肢があったとします。ポイントは、これら選択肢の「表示順序」を換えることです。

1つは選択肢の多い方から、もう一方は少ない方から表示します。結果は、少ない方からの方が人々は積極的に選択に参加し、多い方からの方は標準的な選択しかしない、つまり選択に飽きているということが分かりました。つまり、どうしても過剰な選択肢を提示しなくてはならない場合、選択することに慣れさせることが重要なのです。

まとめ

このTEDをみて、とあるイタリアンレストランを思い出しました。ここのランチは、『クリエーションシステム』といってパスタやソース、具材を自分で選んでオリジナルパスタが作れるというもので、なんと、オリジナルパスタの種類は2,184,000通りにもなるのだそうです。楽しそう!と思ってワクワクしてメニューを見ていると・・・だんだん・・・選択肢が多すぎて・・・結局、既製品(お店が用意しているメニュー)を選んでしまいました。笑

結果的に、とっても美味しいパスタを頂くことができましたが、これではせっかくお店が用意してくれている画期的なシステムを消費者として享受できていないことになります。先に述べた4つの工夫は、サービス側だけでなく自分でもできる、ということが一つの大きな特徴です。

アイエンガー氏が提唱するように、メニューを、50種類の具材を野菜、魚介、肉などに頭の中でカテゴリ化したり、3種類のソース→7種類のパスタ→50種類の具材といった順序で選んでいったりすると、もっと選択しやすくなるのかもしれません。こうした工夫は、正しい選択をするためものではなく、「選択をしやすくするためのもの」です。

過剰な選択を用意せざるを得ないとき、または、なかなか選択されない場合に踏み切れない場合などは、選択肢にこうした工夫を施してみるのもよいかもしれません。



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