マネジメント

市場環境の変化と企業への影響 タイトルは、リーダーシップの権威、ジョン・コッターが提唱する組織変革に関する名著「カモメになったペンギン」から拝借していますが、 昨今、スマートフォンが普及、回線インフラが著しく向上したことにより、消費者はいつでも・どこでもインターネットにつながるようになりました。それに伴い、企業も従来と同じやり方をしていては市場から取り残されるという時代になっています。 企業は既存の成功体験に甘んじることなく、市場環境の変化に伴い、次のビジネスを探し続けないと生き残っていけないのです。 生き残った企業・なくなった企業 巨大レンタルチェーン ブロックバスター ここにひとつ事例として、米国のブロックバスターと日本のTSUTAYAを取り上げます。 ブロックバスターはかつて全米各地に3,000ものビデオ・DVDレンタルチェーンを運営していた企業です。一方いわずとしれた、日本のレンタルビデオ最大手TSUTAYAは、ブロックバスターの営業内容をそのまま日本に持ち込んで成功を収めたのです。 では、ブロックバスターはどこで足を踏み外したのでしょうか?   レンタル業態の変化・競合の台頭 レンタルビデオという業態は、宅配レンタルDVD、そしてブロードバンドの普及により、ストリーミング配信へと時代が変わりつつありました。 そんな中、競合となるネットフリックス社が、ネットで注文し、見終わったら、自宅の郵便受けに入れておけば配達員が配達のついでに回収するというサービスを打ち出してきました。また、レッドボックス社は、1日約1ドルで貸出すという低価格のレンタル専用自動販売機をスーパーマーケットからドラッグストア、コンビニからファーストフード店などの商業施設に設置するというサービスを展開してきました。 ブロックバスターも黙っておらず、バイ・メールというオンラインレンタル事業、ブロックバスター・エクスプレスという自動販売機型レンタル事業を開始しました。しかしながら、レッドボックスの圧倒的安さには太刀打ちできませんでした。 無料動画サービス普及・AppleTVの登場、そして終焉へ 今や巨大動画プラットフォームとなった、Youtubeの普及に伴い、インターネットでの無料動画視聴が一般的になりました。さらに、アップル社の「AppleTV」が発売されたことにより、今までPCでのみ視聴していた動画をテレビで見るようになり、さらに、テレビ番組を1本99セント、映画も4.99ドルなどですぐに視聴できるサービスも開始されることでますます窮地に追い込まれることになったのです。 結果、ブロックバスターは、2010年9月に連邦破産法を申請し倒産、その後、2014年1月に約300の全店舗を閉鎖することになります。 TSUTAYAが生き残ったわけ 1)驚異的な速度でのインターネットへの対応 「iモード」のスタートと同じ1999年には「TSUTAYAオンライン」を開始し、 モバイル向けのオンラインクーポンやメールマガジンの配信等を開始しています。 また、多くのアプリを展開していますが、スマホを売り場に代えるというコンセプトで開発。クーポン発行や在庫検索、利用履歴の閲覧をスマートフォン上で可能にしています。 2)レンタル業態以外への多角化 最近のTSUTAYAは、Tポイント事業が目立ちますが、物販の売り上げがDVDレンタル事業を既に上回るようになりました。 TSUTAYA書籍・雑誌販売額1,157億円~19年連続成長。年間売上高で本がDVDレンタルを上回る もちろんレンタル事業の縮小も上記の理由としてはありますが、2011年にMBOを行ったことで、当座のキャッシマシーンであったレンタル事業で稼いだお金を、Tポイント事業事業や物販事業など他の事業に投資することで、事業を多角化させることに成功したのです。 カモメになったTSUTAYA ブロックバスターとTSUTAYAは、最初はほとんど同じ業態の会社でした。 ただ、大きな違いは既存・当座の利益に胡座をかかず、次の仕掛けを市場の動きより先行して進めたか、進めなかったか、ただ、それだけです。市場がシフトし競合が立ち上がった後では、時既に遅し、TSUTAYAのMBO以降の動きはまさに市場のシフトを見越した一歩先をいくものだったといえるでしょう。...

マクドナ○ド非公認のゲーム 最近、昔にハマったゲームに改めて触れる機会がありました。 そのゲームというのは「McDonald's VIDEOGAME」という、マクドナ○ドを模したハンバーガーショップの経営が疑似体験できるゲームです。   ゲームでは牧場をつくり牛を育てるところから始まり、ハンバーガーを製造・販売したり、ヘッドクォーターでプロモーションなど行ったりするところまで、ハンバーガーチェーンの経営を疑似体験できます。   牛が狂牛病になったり、ブラックジョーク的な内容満載で、当然、マクドナ○ド非公認なのですが、その作り込み具合が非公認とは思えないくらい高いクオリティになっています。   ゲームは最初、ある程度のキャッシュを与えられた状態から開始するのですが、経営が上手くいかず、キャッシュアウトするとオーナーからクビを言い渡されゲームオーバーとなります。初めてこのゲームをやった時は、何も考えずに牛を育てすぎたり、販売員を雇いすぎたりして何度もクビになっていました。。   マネジメントの基礎を楽しく学べる このゲームの良いと思った点は、その内容や作り込み具合はさることながら、何よりもゲームを楽しみながらマネジメント理論の基礎を学べるという点です。何とかクビにならずに収入を増やしていける方法はないかと、当時ビジネス書で習いたてのマネジメント理論を実践しようと頑張っていた記憶があります。ここでは、実践した(しようとした)マネジメント理論について簡単に触れたいと思います。   バリューチェーンによるプロセス分析 まず最初に、それぞれの業務プロセスをバリューチェーンに沿って分析するところから始めました。 バリューチェーンは、直訳すると「付加価値(value)の連鎖」、事業活動を機能ごとに分解し、“どの機能、プロセスで付加価値を生み出しているか”を分析するフレームワークです。事業を厳密に分解し分析をすることが目的ではなく、各機能の役割、コスト、事業への貢献度を全体として捉え、事業モデルの構築や改善を行うことを目的としています。(参考:事業を構造的に分析するフレームワーク「バリューチェーン」) 本ゲームでは、4つのステージ(牧場、製造所 販売所、本社)に対して6つの業務プロセスが存在します。 これらを、バリューチェーンにプロットしていくと、以下の図の通りになります。(クリックで拡大) ここから各プロセスを分析していきます。(ここではざっくりとした分析にとどめています。) この分析で各プロセスの強み/弱みを把握することが出来るようになります。(クリックで拡大) しかしながらここで問題が生じます。このゲームは変動要素が非常に多く、上で分析した強み/弱みが刻一刻と変動していくのです。せっかく把握したものの、変わってしまっては対処も難しくなります。そんな時に役に立つのが、次に紹介する制約理論です。   制約理論によるスループット最適化 制約理論とは一言で言うと、全体においてボトルネック(一番効率、スループットの低い箇所)の生産性の向上によってのみ全体の生産性増大が図れるという理論です。 制約理論の活動は、以下の考え方・流れで行われます。(参考:エリヤフ・ゴールドラット「ザ・ゴール」) 【基本となる考え方】 各プロセスに適切に優先順位をつけ、アラート&是正措置の仕組みを設ける 各プロセスにバッファーを設けて不確実、変動的な事象に備える 【活動の流れ】   1. ボトルネックとなっているプロセスを見つける。   2. 上記プロセスをどう改善するか決める。   3. 他のすべてをステップ2の決定に従わせる  4. ボトルネックとなっているプロセスの生産性を高める。  5. ステップ4でボトルネックが解消したら、最初のステップに戻る。 ここで大切なことは、常にボトルネックとなっている箇所を見つける努力をし続けることです。 生産性増大のアプローチの中には、スループットの一番出ているプロセスに着目しさらに伸ばすことに注力するものもあったりするのですが、制約理論では、スループットが一番出ていないプロセスに着目し、そこを改善することに注力することが大切になります。 今回の例では、上記で分析した中で、強み/弱み、さらにはコストについて、その時々の平均、最低ラインの見極めをそれぞれ行った上でそれらを大きく下回っているものについて、監視、改善活動を続けていきます。(クリックで拡大) このアプローチを続けていくことで、収入を安定的に増加させられるようになります このゲームの変動要素が多いといっても現実と異なり無限にはないため、ある程度パターンを織り込んで調節していくことで、放っておいても売り上げが微増していくというサイクルに入れることが出来ます。 ここまで来るとゲームとしての面白さは少なくなります。さらに単なるflashファイルなので状態が保存できず、PCを落とすことをためらうようになってしまうという問題が発生します(笑)   現実のビジネスにも活かせる 活動、事象をプロセスに分解した上で、それぞれの強み・弱み、コストを分析しつつ、弱みの部分を改善していくことで、全体のスループットを拡大させる、今回はゲームの中でのお話でしたが、もちろん現実のビジネスでも活用できる内容だと思います。 マネジメント理論を学習するにあたって、特に若手の方から『業務で実践する機会がないから理解しづらい、やる気が湧かない』といった声を聞くことがあります。所詮はゲームなので、現実とは異なることも多いですが、こと学習という目的に限ってはこういうゲームはうってつけの教材だと思います。 もちろん、ゲーム自体は何も考えずとも十分に楽しめる内容となっているので、是非一度お試しください! McDonald's VIDEOGAME  ...